「『ITコストを抑制しろ』と経営層から指示されたものの、どこから手をつければいいか分からない…」「社内で利用されているSaaSが増えすぎて、コストが把握できない…」こんな悩みを抱えていませんか?
多くの企業でITコストは増加傾向にあり、そのコスト構造はブラックボックス化しがちです。しかし、何にいくらかかっているか不明瞭なままでは、効果的なコスト抑制は不可能です。
この記事では、多くの企業の情シス部門を支援してきた専門家の視点から、ITコスト抑制を成功させるための具体的なロードマップを提示します。コストの可視化から、明日から実践できる具体的な方法、失敗しないための注意点、成功事例までを網羅的に解説します。
この記事を読めば、貴社のITコストの無駄を特定し、経営陣も納得する戦略的なコスト抑制を実現するための、具体的な第一歩を踏み出せます。
ITコストの抑制に取り組む前に、まずはなぜコストが増え続けてしまうのか、その根本的な原因を理解することが重要です。多くの企業で見過ごされがちな要因は、主に以下の3つです。
近年、業務効率化のためにさまざまなSaaSが導入されています。しかし、マーケティング、営業、人事など、各部門が個別の判断でツールを導入する「サイロ化」が進むと、情シス部門が全体の利用状況を把握できなくなります。その結果、部署間で機能が重複するツールに二重で費用を支払っていたり、ほとんど使われていないSaaSのライセンス費用を払い続けていたりするケースが後を絶ちません。
シャドーITとは、従業員が会社の許可を得ずに業務で利用しているITツールやサービスのことです。従業員が悪意なく、利便性のために無料のストレージサービスやチャットツールを使い始めるケースは少なくありません。しかし、これらは情シスが管理できないため、コストの無駄遣いにつながるだけでなく、情報漏洩などの重大なセキュリティリスクの温床にもなります。
長年利用している古い社内システム(レガシーシステム)も、コストを圧迫する大きな要因です。システムの保守・運用に高額な費用がかかり続けるだけでなく、特定の担当者しか仕様を理解していない「属人化」が進み、見えない人的コスト(オペレーションコスト)が増大していきます。新しい技術への対応も難しく、結果的に企業の競争力を妨げることにもつながります。
ITコストの抑制を成功させるために最も重要なことは何でしょうか?結論から言うと、それは「現状の正確な把握」、すなわちコストの可視化です。
やみくもに「コストを削減しろ」と言われても、何にどれだけ費用がかかっているのか分からなければ、有効な対策は打てません。まずは自社のITコストの全体像を正確に把握し、どこに無駄が潜んでいるのかを特定することが、成功への最短ルートです。
ITコストを考える上で重要なのは、初期投資だけでなく、長期的な運用にかかる費用も含めたTCO(Total Cost of Ownership:総所有コスト)の視点です。TCOは多岐にわたる要素で構成されますが、まずは以下の主要なカテゴリに分けてコストを整理してみましょう。
カテゴリ | 具体例 |
|---|---|
ハードウェアコスト | PC、サーバー、スマートフォン、ネットワーク機器(ルーターなど)の購入・リース費用 |
ソフトウェアコスト | OSやアプリケーションのライセンス費用、SaaSの月額・年額利用料 |
人件費 | 情シス担当者の人件費、システムの運用・保守にかかる作業工数 |
外部委託費 | システム開発・保守の委託費用、ヘルプデスク業務の委託費用、コンサルティング費用 |
コストの全体像を把握するためには、「誰が、どのIT資産(PCなど)を、どのSaaSアカウントを利用しているか」を一元的に管理する台帳が不可欠です。
多くの企業ではExcelやスプレッドシートで管理されていますが、SaaSやデバイスの数が増えるにつれて、手動での更新作業は限界を迎えます。情報の更新漏れや入力ミスが発生しやすく、正確な状況をリアルタイムに把握することが困難になるため、管理体制そのものを見直すことも重要です。
コストの全体像が見えたら、次はいよいよ具体的な削減策の実行です。ここでは、多くの企業で効果が実証されている、着手しやすく効果の高い7つの方法を順番に紹介します。
最も即効性が高く、まず最初に取り組むべきなのが、利用されていない「幽霊アカウント」の整理です。退職した従業員のアカウントが削除されずに残っていたり、登録はしたもののほとんど使われていないアカウントがあったりしませんか?これらの不要なライセンス費用を削減するだけで、大きなコスト抑制につながります。
部署ごとに異なるファイル共有ツールやWeb会議システムを契約しているケースはよくあります。全社で利用状況を調査し、機能が重複しているSaaSを特定して一本化しましょう。これにより、契約を最適化し、ボリュームディスカウントを受けられる可能性もあります。
社内に使われていない遊休資産(PCやスマートフォンなど)がないか確認し、再活用を図りましょう。また、リース契約で機器を導入している場合は、契約期間やプラン内容が現状の利用実態に合っているか定期的に見直すことで、無駄な費用を削減できます。
従業員がどのようなシャドーITを利用しているかを調査し、その目的をヒアリングします。もし業務上必要なツールであれば、セキュリティが担保された公式ツールとして導入し、包括契約を結ぶことで、かえってコストを抑えられる場合があります。同時に、セキュリティリスクの低減にもつながります。
入社・退社に伴うPCのセットアップやSaaSアカウントの発行・削除といった定型業務は、情シス担当者の工数を大きく圧迫します。これらの繰り返し発生する作業をツールなどで自動化することで、人的コスト(工数)を大幅に抑制し、担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。
自社でサーバーを保有・運用するオンプレミス環境は、機器の購入費用や維持管理コスト、運用工数がかさみがちです。システムをクラウドへ移行することで、これらのコストを削減できる可能性があります。初期投資はかかりますが、TCO(総所有コスト)の観点から見れば、中長期的に大きなコスト低減効果が期待できます。
PCのキッティング(初期設定)や日常的な問い合わせに対応するヘルプデスク業務など、専門性の高い定型業務を外部の専門業者に委託(BPO)するのも有効な手段です。これにより、情シス担当者は本来注力すべきコア業務にリソースを集中させることができ、組織全体の生産性向上に貢献します。
コスト抑制は重要ですが、進め方を間違えると、かえってビジネスに悪影響を及ぼすおそれがあります。ここでは、よくある3つの失敗パターンとその対策を解説します。
コスト抑制だけを目的として、現場の意見を聞かずに一方的にツールを廃止したり、安価で使いにくいツールに切り替えたりすると、従業員の生産性が著しく低下するおそれがあります。コスト抑制は、必ず現場の従業員への影響を考慮し、業務効率を下げない範囲で行うことが鉄則です。
「コスト削減」の名の下に、セキュリティ対策費用まで削ってしまうのは非常に危険です。安価なツールに切り替えた結果、ウイルス感染や情報漏洩などのセキュリティインシデントが発生すれば、事業の継続を揺るがす甚大な被害につながりかねません。セキュリティ対策は単なる「コスト」ではなく、企業を守るための「投資」であるととらえる必要があります。
目先の費用だけを見て、「初期投資がかかるから」という理由で業務効率化ツールやクラウド移行を見送ってしまうのは得策ではありません。初期費用がかかったとしても、長期的には運用工数の削減や生産性向上によって、投資額を上回るリターン(TCO削減)が期待できる施策もあります。短期的な視点だけでなく、中長期的な視点で費用対効果を判断することが重要です。
これまで解説してきたコストの「可視化」と「抑制施策」ですが、これらをすべて手作業で行うには限界があります。そこで有効なのが、SaaS管理やIT資産管理に特化したツールの活用です。
従業員一人ひとりが利用するSaaSやデバイスの数は増え続けています。Excelやスプレッドシートによる手動管理では、情報の更新が追いつかず、台帳がすぐに形骸化してしまいます。また、棚卸し作業に膨大な時間がかかる、入力ミスや更新漏れが発生しやすいなど、非効率かつリスクが高い状態に陥りがちです。
SaaS管理・IT資産管理ツールを導入することで、手動管理の課題を解決し、コスト抑制を効率的に進めることができます。
コスト構造の可視化
散在するSaaSの契約情報やIT資産の情報を一元管理し、コストの全体像をダッシュボードなどで瞬時に把握できます。
棚卸し業務の自動化
アンケート機能などを活用し、従業員に利用実態を直接確認する作業を自動化。管理者の工数を大幅に削減します。
シャドーITの検知
社内で許可なく利用されているSaaSを自動で検知し、セキュリティリスクを未然に防ぎます。
入退社タスクの効率化
入退社時に必要なアカウントの発行・削除タスクをリスト化し、対応の抜け漏れを防ぎ、管理業務を効率化します。
SaaS管理・IT資産管理ツール「dxeco」は、これまで解説してきた課題をすべて解決できるソリューションです。散在しがちなSaaSの利用状況とPCなどのIT資産情報を一つのプラットフォームで可視化し、コストの無駄遣いやセキュリティリスクを排除します。
さらに、ツール提供だけでなく、PCキッティングや情シス業務の運用代行といったBPOサービスも提供しており、リソースが不足しがちな情シス部門の業務を包括的に支援できる点が大きな強みです。
実際に「dxeco」を導入することで、多くの企業がITコストの抑制と業務効率化を達成しています。ここでは、その中から3つの事例をご紹介します。
課題:手作業でのSaaSアカウント管理に年間200時間近くを費やしており、不要なライセンスコストが発生していました。
施策:dxecoの棚卸し機能を活用し、全社的にSaaSの利用実態を調査。不要なアカウントや重複契約を整理しました。
効果:年間約160万円ものライセンス費用削減に成功。さらに、管理にかけていた工数も大幅に削減できました。
課題:退職者のアカウント削除業務が担当者ごとの手作業に依存しており、非効率な上に削除漏れのリスクを抱えていました。
施策:dxecoを導入し、退職者対応に必要なタスクをリスト化・管理。対応状況を可視化し、抜け漏れを防止する仕組みを構築しました。
効果:退職者1名あたりの処理時間を30分から5分に短縮(80%削減)し、人的コストの抑制とセキュリティ強化を同時に実現しました。
課題:ISMSの更新審査のたびに、IT資産やSaaSの管理台帳を最新化する作業に多大な時間がかかり、担当者の大きな負担となっていました。
施策:dxecoでIT資産とSaaSの利用状況を常に最新の状態に保つ管理体制を構築しました。
効果:審査当日はdxecoの管理画面を見せるだけで説明が完了するようになり、準備にかかっていた膨大な工数と心理的ストレスから解放されました。
A1. まずは現状把握、つまり「ITコストの可視化」から始めるのが鉄則です。特に、誰が何を使っているか不明瞭になりがちなSaaSのライセンス費用から見直すのが最も即効性があり、効果を実感しやすいでしょう。
A2. すべてを自社でやろうとせず、ツールやアウトソーシング(BPO)を積極的に活用することをおすすめします。アカウント管理などの定型的な業務を外部のサービスに任せることで、限られたリソースを、より戦略的で付加価値の高い業務に集中させることができます。
A3. 抑制できる具体的な金額(ROI)や、削減できる工数を数字で示すことが重要です。また、単なるコストカットという守りの視点だけでなく、それによって「セキュリティが強化される」「従業員の生産性が向上する」といった、事業成長への貢献という攻めの視点で説明すると、経営層の理解を得やすくなります。
本記事では、情シス部門がITコスト抑制を成功させるためのロードマップを解説しました。重要なのは、①現状を正確に「可視化」し、②無駄を特定して具体的な「抑制策」を実行し、③ツールを活用して「効率化」することです。
ITコスト抑制は、単なる経費削減活動ではありません。コスト構造を最適化し、それによって創出されたリソース(予算や工数)を、事業成長に貢献する領域へ再投資するための「戦略的活動」です。
まずは、貴社のITコストにどれくらいの無駄が潜んでいるか「可視化」することから始めてみませんか?
SaaS管理・IT資産管理ツール「dxeco」が、どのようにコスト抑制と業務効率化を実現するのか、具体的な機能や導入事例をまとめたサービス詳細資料をぜひご覧ください。
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